こたらの日記

がんを切っても寿命は延びない - 「がんもどき」で早死にする人、「本物のがん」で長生きする人 近藤誠著

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僕たちはがんのことをどれだけ知ってるだろう。
僕はがんになると辛い、苦しい、余命何ヶ月と宣告される。
とてもつらい病気というイメージがほとんどだ。でもこの辛い苦しいというイメージ自体が実は間違ったものだったのかも知れない

そう気づかせてくれたのが、今回紹介する近藤誠さんの著書「「がんもどき」で早死にする人、「本物のがん」で長生きする人」だ。
著者の近藤誠さんは23年間に渡り「がんを治療しない患者さん」を150人以上みてきたがんの専門家だ。
現在は「近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来」を開いているという。
僕自身、読んでて知らなかったことが沢山あった。がんに対する先入観も沢山あったこともわかった。
全部を紹介しきれるわけじゃないが、特に強い印象が残っているものをご紹介したい。

「がんの治療で命が延びる」という証拠はない

「え?がんて治療すれば多少は命が延びるんじゃないの?」と僕は疑問に思った。
だが本にははっきりとこう書かれている。

実は「がんの治療で命が延びる」ことを証明したデータは、世界にひとつもありません。
via:「がんもどき」で早死にする人、「本物のがん」で長生きする人 - P.48

これはなぜかというと、「がんを治療しない患者」を医者はみたこともないから。医者も患者もがんだとわかればすぐに治療をするのが現代の医療なのだ。

医療も進歩し、昔は不治の病とされていた病気が治る時代になっている。
がんも同じように治療でよくなる、寿命が延びると思っていたのだがそういうわけではなかった。
1960年代から半世紀以上に渡り、がんで死ぬ日本人は増え続けているのだ。
これはなぜだろう。

「本物のがん」と「がんもどき」

がんには他の臓器にも転移する「本物のがん」と転移しない「がんもどき」の2つがあるという。

人間が「早期発見」と呼んでいるのは、実はしこりが1センチ前後に育った「がんの晩年」。幹細胞が生まれてから、10〜30年もたち、がん細胞は10億個にも増えて、全身に転移がひそんでいる状態です。
via:「がんもどき」で早死にする人、「本物のがん」で長生きする人 - P.24

がんというのは早期発見、早期治療で進行を止められるような病気ではないのだ。

「がんもどき」は他の臓器に転移することもなくほっといても問題ない。
「本物のがん」は切っても見つけられる頃には他の臓器にも転移がある。
どっちにしても手術や抗がん剤治療ではカラダを傷つけてしまうだけなのかも知れない。

早期発見、早期治療で治るという幻想

医療が進歩して、がんが早期発見、早期治療ができるようになったのは事実だ。
でも実際にはがんで死ぬ日本人は減っていない。

「がん検診は本当に意味があるのだろうか」
この本を読みながらそんな疑問を感じるようになってきた。
かつて世界の人々に「地球は平ら」だと思われていたように、現代の僕たちも「がんは早期発見早期治療で治る」と間違った認識をしているのかも知れない。

がんの本当の姿

がんは痛くて苦しい、辛い病気だとずっと思っていた。でも本当は違う。

実はがん自身は痛まないし、毒素も放ちません。ただひたすらがん細胞が増え続け、転移・増大するのが、がんです。
人ががんで死ぬのは、肺、胃、食道、肝臓、脳などの重要な臓器でしこりが増大して、呼吸、食事、解毒などの「息の根」を止めるから。
via:「がんもどき」で早死にする人、「本物のがん」で長生きする人 - P.39

がんの痛みというのはしこりが大きくなることで、痛みを感じるようになるのだそうだ。
僕たちがイメージする痛く苦しい、辛いイメージはおそらく抗がん剤の副作用なのだろう。

「がんもどき」で早死にする人、「本物のがん」で長生きする人を読んで

「苦しまず眠るように最期の時を迎える人生」を僕は送りたいし、家族にもそうなって欲しいと思っている。
もしこの本を読んでいなかったら、がんの宣告を受けたら冷静な判断もできず、お医者さんの言いなりになってがん治療を受けていただろう。
そして抗がん剤の副作用で苦しむことになっていたかも知れない。

でも今は違う。
がんというものに対する先入観がなくなり、若くて健康な今だからこそがんや他の病気と向き合う必要があるんだと感じた。
この本を今のうちに読んでいて本当によかったと思う。オススメです!

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